秋雨にふるるつわぶき

子よ、と呼びかくべくあまりに遠い我が子は、ふらんす[#「ふらんす」に傍点]の巴里《ぱり》の都に

子よ、と呼ぶ声より先に我が眼には、早や涙秋雨にふるるつわぶき[#「つわぶき」に傍点]

あわれつわぶき[#「つわぶき」に傍点]の黄金《こがね》の花よその花の黄金色こそ、稚き日の子がいでたち――制服のぼたんのいろに制帽の徽章《きしょう》のいろに……

あわれ子よお茶|喫《の》むか、巴里の都に絵を描《か》くか、巴里の都に

お茶のみて母をや忘るる絵を描きて母をや忘るる忘るるも、よしやわが子よ

にっぽんの雨降る夕つわぶき[#「つわぶき」に傍点]の花をみつめて母はおまえを懐かしみ泣く

母は今宵、外出します黒いドレスに赤い小粒の首かざりおまえが母に一番似合うと言った服装

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